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「No where, but here」〜ここではないどこか〜
「No where, but here」〜ここではないどこか〜
写真を撮るために台本を書いた。
ありのままの自分でいようとする人の姿を描くためだ。
日常では隠そうとする、人間の月の裏側のように光の当たらない部分を撮りたかった。
弱さもまるごと認めたかった。
役者たちには心をハダカにし、役を生きてもらい、わたしもまた、彼らと同じようにありのままの自分でやり取りする必要があった。
わたし自身、日常生活ではありのままの自分でいられる場所をずっと探していた。住む場所を変え、仕事を変え、ラクでいられる友達を探しどんどん数を増やしたりした。
でもそんな場所はどこにもなかった。
いつもよりも深いところでやりとりのできる演技と、写真を撮ることはとてもよく似ている。
わたしにとって写真とは、生きていることを実感するための舞台(set)だ。
彼らとイマジネーションの世界に旅をしながら、このシリーズを撮っていくうちに見つけたのは、ただの自分だった。
この写真集でわたしは、彼らの個性を撮ったわけではない。
これは撮ったわたしの話であるばかりか、被写体である彼や彼女、そして
もしかすると、これを見ているあなたの姿なのかもしれない。
No where,but here
出版社:ShINC BOOKS/Bis.
価格:¥1,700(税込)
発売日:2012.12.05
サイズ:B5変形 48p ソフトカバー
ISBN:9784906995073
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